ファンタジックmemory

*あなたが腸から出血しなくてもよい理由*(2005.9.14)

*あなたが腸から出血しなくてもよい理由*(2005.9.14)


腸から大出血しました。
(;^_^ A
いやあ、昨日病院の待合室で観たテレビ選挙報道がいかんかったな。
ナイーブな私には耐えられなかったんだよね。
実に繊細に出来ておるのう、わし。
選挙戦の結果ではなくて、メディアが国民をファシズムへと駆り立てるさまが、めちゃくちゃに怖かった。あんな恐ろしい目にあったのは、はじめてだったね。
(;^-^ゞ
ナチスやその他の連中の、メディアコントロールについての書籍はこれまで読んできたし、映像も見てきたけど、

自分が実際にその場にいあわせる恐怖は、これは格別だったわい。

ここに、りぼん・ぷろじぇくと著の『戦争のつくりかた』という本がある。
私が昨日見たものを、的確にとらえた一文があるので、ご紹介しよう。
これだ。

「人のいのちが世の中で一番たいせつだと、
今までおそわってきたのはまちがいになりました。



一番たいせつなのは、「国」になったのです。

テレビではそれを、「新しい有権者像」という表現で、もちあげていた。
テレビの言うには、今までの有権者は、狭い地域と自分自身のことしか考えていなかった。しかし、これからの新しい有権者は、日本と日本の未来を考えて投票するのだ。有権者よ、日本を変えよ。
そこに、音声が重なる。
「○○ズ○日本、○○○ミ日本!」
民衆の晴れやかな顔。
日本の未来を考えるとは、具体的にはどういうことなのか、テレビはあえて触れない。日本を変えるとは、どの方向に向けて変えるのか、それも語らない。未来を考えたり日本を変えるのは、政府やメディアであり、国民はそれを、「自由意思」によって支持すればいいのだ。それが、「新しい有権者の姿」なのである。
「○○○○日本、○○○○日本!」
コイズミ革命の検証もいっさいなされない。彼が何をし、そして何をしようとしているのか、それは国民が知る必要のない事柄だ。彼が改革をする。なにかうまくいくらしい、と国民は感じていればいい。彼の改革は、日本と日本の未来を考えてのものなのだから、国民はそれを信じていてさえすればいい。
あなたが改革を支持すれば、それはあなたが、日本の未来をうれう、新しい有権者であることを意味する。支持しなければ、あなたは、自分のことしか考えない、古くっさい有権者であることだろう。どちらを選ぶか、それは有権者の「自由」である。
「○○○○日本、○○○○日本!」

こんなテレビ放送、ありえんだろう!!!

ところが、ありえたのだ。
実際は、もっとひどい内容だったが、思いだしただけで出血するので、パンツがなくなってしまう(笑)。

「新しい有権者」のかたが私の日記を読んだら、さぞかしご立腹になるだろう。改革断行、を心から信じてらっしゃるのだから。
しかし、私は、あなたたちのことがうらやましいと思っているのだ。

これから日本を襲うであろう未曾有の大崩壊から安全でいられるのは、財界と政府の人間だけだ。
私もあなたも、奈落の底に真っ逆さまに落ちていくことはおなじだ。だけど、最後の瞬間まで、あなたは少なくとも、幸せな夢を見続けることができる。
私は、腸から出血し続ける。
(;^-^ゞ
テレビ局の使う「自由」「選択」は、単なる人心コントロールのための道具でしかなくなっている。
私たちが実際に自由である必要はない、

自由であると私たちが思い込んでいればそれでいい、

と、メディアは考えたのだ。
改革で暮らしが良くなると思い込んでいればいい、血を流す国際貢献で出兵をするほうが良いと思い込んでいればいい、幻想だけを両手いっぱいに抱えて、幸せであればいい。
昨日、テレビは私たちに向かって、そう訴えていた。

……。
だんだん、話が重くなってきたね。
(;^-^ゞ
しゃーねえわなあ、事実は事実として受け止めないとなあ。
それにワシも、血がなくなってきたのよ。
(;^-^ゞ
さあ、みなさん! このままだと、血がどどもれで、私の体内の血液がすっからかんになってしまいますよ。
私の健康のためにも、力を合わせて、平和を取り戻そうじゃございませんか!(笑)
まだまだ、やれることはいっぱいあるって!

岩波ブックレット『憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言』を引き続き読んでいる。
このなかから、作家の井上ひさし氏のお言葉を引用してみよう。

「戦争で儲かったり、偉くなったり、勲章をもらったり、工場を建て増ししたりする。そういうひとはごくわずかですよね。たいていのひとはみんな不幸になります。どうしてそんなに金を稼ぎたいのかよくわかりませんけれども、一部のひとたちが一生かかっても使い切れないぐらい大もうけするために戦争を起こす。」

オイラとおんなじことをおっしゃってるよ、井上ひさし先生。
オイラって、なかなかいい線いってるのかな。自信が出てきたよ。

最後に、池田香代子さんが、V=E=フランクル『夜と霧 新版』を訳したさいによせた文章に、リンクします。
なかなか面白いよ。
V=E=フランクルって、『それでも人生にイエスと言う』もそうだったけど、読んでて不思議な勇気が湧いてくるんだよね。

「この人間とはなにものか。人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。( 『夜と霧』p.145 )」

だそうです。
実際の強制収容所の内部で、最後まで人間であろうとし、周囲の人々にも人間であり続けるよう励まし続けたフランクルの言うことには、重みがあるね。
人間は、かくも偉大なり、じゃよ。

私がガス室に送られるまでには、まだまだ時間がある。

私たちは、別の未来をつくりだすことができるのだ。

   (絵本工房) 純日記より

mizoereikoの投稿(00:46:45-2005-09-14) - カテゴリ: Main TrackBacks

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